281. Zorgkantoor VGZ、2. Zilveren Kruis、 3. Zorg en Zekerheid、4. DSW、5. CZ、6. Salland、7. Menzisがある67)。ケアオフィスは、オランダの保健医療行政区分である圏域(Region)毎に、“Compartment2”の保険者であるサービス保険者(Care Insurer)の中で最も規模の大きなものが担う(大森 2015:24)。在宅ケアは、国、基礎自治体、健康保険会社、ケアオフィスが共同で担う。基礎自治体は、2015年社会支援法(WMO2015)を通じて在宅ケアの非医療系支援、例えば、日中活動や家事援助、インフォーマル介護者支援を整備する。健康保険会社は、在宅看護・介護で提供される服薬支援や入浴介助の費用を払い戻す68)。長期療養サービス保険(Wlz)は24時間体制のケアと見守りを必要とする青少年から成人までを対象とする。ケア施設の利用が可能であるが、在宅ケアを希望する場合、ケアオフィスがWlzによる在宅ケアが適切に受けられるかを評価する。提供方法には次の選択肢がある。1つのケア施設が在宅ケアの全てを提供する在宅コンプリートパッケージ(Volledig pakket thuis, Vpt)、様々なケア提供者から在宅ケアを受ける在宅モジュラーパッケージ(Modulair pakket thuis, Mpt)、さらに個人介護予算を使用して自分でケアを手配する方法、そして個人介護予算と在宅モジュラーパッケージを組み合わせる方法である。在宅コンプリートパッケージは、ケア施設(Zorginstellingen)で受けるのと同じケアを在宅で受けられる。ケア施設は、ケアオフィスと契約を結んでおり、ケアオフィスは提供されたケアの対価をケア施設に直接支払う。これを現物給付と呼ぶ。看護、介護、日中活動の他に、食事の提供、家事援助が含まれる69)。在宅モジュラーパッケージは、受けとったケアプロファイルに示されるケア、例えば、看護、介護、デイケアなどのうち、すべてを必要としない場合に適す。ケアオフィスは、本人が自宅に住み続ける意向を示し、本人の選択に基づき同意していることを確認し、在宅が適しているかを評価する。どのケアを受けたいかケア施設と話し合い、ケアオフィスが在宅ケアを手配する。一般的に看護、介護、家事援助、短期宿泊、治療、治療施設への移動、ガイダンスが含まれる。ケアプロファイルに含まれるケアに限り購入でき、食事の提供は在宅コンプリートパッケージで認められるが、在宅モジュラーパッケージでは提供できない70)。在宅モジュラーパッケージには一般医や歯科医による「一般医療」は含まれない。健康保険会社が「一般医療」を支払う健康保険が必要となる。在宅モジュラーパッケージが適す場合は、在宅生活を継続し、近くで必要な見守りやケアの一部を引き受けるインフォーマル介護者がいて、Wlzの適応症による全てのケアを必要としない場合や、ケアの一部を個人介護予算により自分で購入する場合である。在宅モジュラーパッケージは、在宅で責任ある効率的なケアが受けられる場合にのみ可能となる。政府のいう効率的とは、在宅ケアが施設ケアよりも費用がかからないことであり、責任あるとはケアニーズを充足することである71)。在宅モジュラーパッケージは個人介護予算と組み合わせることができる。ケアの一部を現物で受け取り(Mpt経由)、一部を自分で購入する。この選択についてはかかりつけ医と相談する。ケアオフィスは個人介護予算を管理できるかを評価する72)。個人介護予算は、ケア提供者から自分でケアを購入するために使用できる予算である。個人介護予算が適しているかケアオフィスと話し合い、どのケアをどのケア提供者から購入するかを計画し、各ケア提供者とケア契約を締結する。契約に時給やケアの内容説明も含まれる。また本人に代わり個人介護予算を管理する代理人のⅤ. 在宅ケア1. 在宅ケアの形態
元のページ ../index.html#31