健保連海外医療保障_No.134_2024年9月
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22表3 ケアプロファイルの種類(Soorten zorgprofielen) 「看護と介護」の申請(全決定の92%)においてのWlzへのアクセス、ケアプロファイルの調整・継続に肯定的であったが、1万60件の申請(全決定の8%)で、Wlzへのアクセスがされなかった(CIZ 2023年年次報告)37)。ケアアセスメントセンターは、ケア受給資格判定機関であり、資格がある場合にケアプロファイルを割り当てる。ケアプロファイルは、長期療養サービスのケアニーズを示すWlz指示(Wlz Indication, Wlz-indicatie)であり、必要なケアの量と種類が記される38)。Wlzの適応症(または分野)には7つの種類があり、合計約40種類のケアプロファイルをカバーする。多くの場合、数が多いほど集中的なケアとなる。1. 看護と介護(VV)、2. 知的障害者(VG)、3. 軽度精神障害(LVG)、4. 身体障害者(身体障害 LG)、5. コミュニケーション障害、聴覚障害、感覚障害(ZGaud)、6. 視覚障害、感覚障害(ZGvis)、7. 3年以上の入院が必要な精神疾患(GGZ-B)からなる39)。介護施設に入る必要がある場合のケアプロファイルは、表3のように、「看護と介護」に分類され、その下位に6つのケアプロファイルがある(VV10は2018年1月1日に終了した)。ケアアセスメントセンターは、クライエントVV4集中的な指導と広範なケアによる保護された生活。家事援助、日中活動。身体障害のみで、認知症がない。VV5認知症の集中ケアを伴う保護された生活。老人ホーム、介護施設に入居可能。認知症がある。VV6集中ケアと看護を備えた保護された住まい。VV4よりも重く、日中活動のみでは不十分で、自宅生活が困難。VV7特殊な条件のため指導に重点を置き、非常に集中的ケアによる保護された生活。認知症が進行し、興奮、攻撃性、主張行動、脱抑制、徘徊行動、極端な引きこもり、無関心など深刻な行動上の問題を示す。若年性の認知症も含まれる。VV8介護・看護に重点を置く、特定の条件のため非常に集中的なケアによる保護された生活。ALSや多発性硬化症など非常に重篤な身体疾患がある。VV9b看護と介護を伴う回復志向の治療。術後や治療後、3か月以上リハビリが必要な場合。個人介護予算はない。VV10終了集中的な緩和ケアによる保護された滞在(2018年1月1日終了)。大半がケアホーム、ナーシングホーム、ケアヴィラに居住。在宅ケア「コンプリートパッケージ」(Vpt)の選択もできる。個人介護予算(Pgb)でケアを購入する。出所:保健福祉スポーツ省(VWS)、ケアプロファイルの種類 ウェブサイトを参照40)。が実際に長期療養サービス保険の指示を受けられるかどうかを決定する。在宅看護・介護(地区看護)は、健康保険法(Zvw)の基本パッケージから全額払い戻され、免責控除額はない。看護・介護にかかりつけ医からの紹介は必要なく、地区看護師が本人と協2. 在宅看護・介護(地区看護)(Verpleging en verzorging thuis, Wijkverpleging)2015年1月以降、在宅看護・介護(地区看護)は、特別医療費保険(AWBZ)から一部が健康保険法(Zvw)に移管された。在宅看護・介護(地区看護)は、かかりつけ医などのプライマリケアに接近した。健康保険会社は、在宅看護・介護(地区看護)の責任をもつことになり、在宅ケアから専門病院に至るまで医療全体をみることになり、ケアの統合が期待される。地区看護師(District nurses, Wijkverpleegkundigen)は、受療者の自立生活の評価や在宅生活継続に重要な役割を担う。また健康保険法は、長期療養サービス(Wlz)が引き継ぐ前の最初の3年間の入院患者の精神的ケアをカバーすることになった。それ以前は、最初の1年のみを対象とした(Van Ginneken and Kroneman 2015)。

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