21健保連海外医療保障 No.134の補助金、Wlz保険業務実行者の実施に要する管理費から構成される。長期療養サービス(Wlz)は、地域のケア施設によって実施される。Wlz保険業務実行者やケアオフィスが、医療・介護の購入、国民への情報提供、顧客サポート、ケアの調整、CAK(Central Administration, Centraal Administrait Kantoor)31)への申告と支払い命令の確認を担当し、これらの業務はケアオフィスに委任されるが、Wlz保険業務実行者は実施責任を負う。 ケアオフィスは個人介護予算の実施に独立した責任を負うとともに、地域で提供される長期療養サービス(Wlz)の管理責任を負う。Wlz保険業務実行者は、ケアオフィスの地域を含む財務報告書を作成する(NZa, オランダ医療庁)32)。2021年のWlz費は、284億1,500万ユーロ(2020年は260億9,500万ユーロ)で、2020年と比較して8.9%の増加であった。2021年1月1日時点で、32万4,000人のオランダ人がWlz受給権を有し、これはケアアセスメントセンター(CIZ)が、24時間ケアと見守りが必要と判断した人々で、2021年末には34万件以上に増加した。高齢者と(軽度の)知的障害者が請求の大部分を占め、他に長期の精神保健ケアが必要な人、身体障害や感覚障害をもつ人が含まれる。ケアオフィスが医療従事者と現物医療契約を締結した件数は、2021年1,493件、2020年1,361件であった。また、Wlzに基づく個人介護予算は、5万1,598人が利用した。2020年の予算保有者は4万6,425人であった33)。2022年には、9つの法人のWllz保険業務実行者が実施・管理し、そのうち7つの法人のWlz保険業務実行者が1か所以上の圏域のケアオフィスとして指定されている。Wlz保険業務実行者は、それぞれ健康保険会社のグループの一部であるが、全ての健康保険会社が独自のWlz保険業務実行者として指定されているわけではない。合計31か所の圏域(zorgkantoorregio’s)がある。34)2022年の療養費は302億ユーロに上る。このうち280億ユーロ(92.9%)は妥当なものと考えられ、7,200万ユーロが違法(0.2%)と評価されている。これは社会保険銀行(SVB)による個人介護予算の不正行為とみられる。Wlz管理費は2億4,000万ユーロに上るが、オランダ医療庁は正当な額と評価している。2022年のWlz費は管理費を含めると304億ユーロに上昇した。2021年は284億ユーロで、7.0%の増加である。総費用の最も大きい部分は現物給付(88.0%)で、個人介護予算は9%である。35)2015年以降、利用者の増加と料金の上昇があり、2018年以降、施設介護費用も増加傾向にある。2020年、コロナウイルス・パンデミックにより、ケア従事者が提供できるケアの減少により、コロナ禍の費用を除いた2020年の費用は、2019年と同水準となったが、2021年には医療費は上昇した。さらに、精神保健受療の急増がある。保健福祉スポーツ省(Ministry of Health, Welfare and Sport, Ministerie van Volksgezondheid, Welzijn en Sport, VWS)は、パンデミックによる医療従事者の追加費用を調達した。ケア提供者は、コロナウイルス・パンデミックによる追加の医療スタッフを配置するため予算を受け取る権利をもった(NZa, オランダ医療庁)36)。長期療養サービス保険(Wlz)は、中央政府、ケアアセスメントセンター(CIZ)やCAK等の組織が運営する。ケアアセスメントセンターは、保健福祉スポーツ省の執行機関であり、長期療養サービス保険(Wlz)に基づくケア(適応症)の申請を処理する責任をもつ。長期療養サービス保険(Wlz)では、地域で24時間体制のケアや見守りを必要とする人々に対する在宅または施設の介護・看護が規定される。ケアアセスメントセンターは、クライエントがWlzにアクセスできるか否かを評価し、どのケアプロファイルが最も適切かを判定する。2023年のWlz申請13万8,434件のうち、12万1,568件が決定に至った。11万1,508件(1) ケアアセスメントセンター (Care Assessment Centre, Centrum Indicatiestelling Zorg, CIZ)
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