17図1 健康保険法財政選ぶ。契約外の医療者に行く場合の償還率は100％ではなく60％から70％に下がり自己負担が生ずる。その割合と金額は、健康保険会社と加入する健康保険パッケージによって異なる（Consumentenbond）12）。保険会社の提供する保険商品は、2005年までは現物給付のみであったが、2006年から費用償還方式の保険商品も可能になった（大森 2006）。2008年から導入された強制免責控除（Compulsory Excess, Verplicht eigen risico）は、18歳以上の被保険者を対象に、受療したときに1年間で一定額までは保険の対象とせずに自己負担をする制度である。ただし、かかりつけ医（GP）によるサービス、妊産婦サービス、18歳未満の歯科診療は対象外である。この目的の1つは、人々のコスト意識を高めることが狙いとしてある。もう一つ、被保険者の責任に委ねられる施策として、個人免責控除（Personal Excess, Vrijwillig eigen risico）がある。個人免責控除は、強制免責控除の金額を超えて、免責控除金額を設定することによって、保険料を減免する制度である（大森 2014）。18歳以上で基本パッケージを利用する場合、強制免責控除額を必ず支払わなければならない。2024年の強制免責控除額は、385ユーロと設定される。さらに、個人免責控除として任意に、100ユーロ、200ユーロ、300ユーロ、400ユーロ、最大500ユーロまで増額できる。その場合、885ユーロ（個人免責控除500ユーロ＋強制免責控除385ユーロ）を支払うことになる。健康保険会社と支払いに関する取り決めに合意し、控除額を分割で支払うことができる。金額によって、健康保険会社が基本保険の月々の保険料を割引く13）。例えば、オランダで最も規模の大きい健康保険会社とされるAnderzorgの基本保険は組み合わせ保険で、月額141.25ユーロ（2024年）からである。これに、個人免責控除として年額100ユーロ増やすごとに、定額保険料から月額3.5ユーロ割引される。個人免責控除額を最大500ユーロにすると、割引は月あたり最大17.50ユーロになる。契約のある医療者の償還は100％で、契約のない医療者の一部償還は60％である。また、4つの追加保険と2つの歯科保険から選択することができる（Anderzorg）14）。18歳以上の被保険者出所：Zorginstituut Nederland, Financieringsstromen Zorgverzekeringswet.（オランダ国立医療研究所、健康保険法財政）健保連海外医療保障 No.134Eigen riscoNominale premieZorgtoeslag医療手当（Zorginstituut Nederland）OverheidUitgaven zorg可用性への拠出18歳未満の子どもに対する政府の助成国立医療研究所が管理する健康保険基金（Zorgverzekeringsfonds）
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