健保連海外医療保障_No.134_2024年9月
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オランダの医療・介護制度の基盤は、健康保険法(Health Insurance Act, Zorgverzekeringswet, Zvw)、長期療養サービス保険法(Long-Term Care Act, Wet langdurige zorg, Wlz)、社会支援法(Social Support Act, Wet Maatschappelijke Ondersteuning, WMO2015)、 青少年法(Youth Act, Jeugdwet)の4つの基本的な医療・介護関連法に定められ運営される。オランダの医療・介護制度は、医療保険と介護保険が分離独立して法的に整備されているのではなく、医療と介護、そして社会的支援が連続するところに特徴があり、個人の自由な選択と連帯への個人貢献が強調される。国と基礎自治体、政府と民間企業、医療介護提供専門職と市民の各レベルにおける分権化が、断片化と自己責任化ではなく、包摂的な社会基盤を強化していくため、統合化と協働が課題となる。14オランダの医療・介護制度は、歴史的発展にみられる社会の進歩や格差、対立や協調などの特徴や傾向により形づくられる。オランダの全ての人々の医療・介護へのアクセスや質の確保は、全ての人々に義務づけられる医療・介護制度への加入を通じた連帯に基づき、制度を維持するために共有される意識や価値観や考え方によって支えられる。オランダの医療・介護制度の基盤は、健康保険法(Health Insurance Act, Zorgverzekerings- wet, Zvw)、長期療養サービス保険法(Long-Term Care Act, Wet langdurige zorg, Wlz)、社会支援法(Social Support Act, Wet Maatschappelijke Ondersteuning, WMO2015)、 青少年法(Youth Act, Jeugdwet)の4つの基本的な医療・介護関連法に定められ運営される。さらにオランダ競争法(Competition Act, Mededingingswet)に基づいて、事業者に競争制限的協定及び市場支配的地位の濫用等に対する規制が行われる1)。例えば、かかりつけ医の診療が必要な場合や入院は、健康保険基本パッケージ(Zvw)から費用が支払われる。常時見守りや24時間在宅ケアが必要な場合は、長期療養サービス保険(Wlz)が適用される。障害により在宅介助や車椅子が必要な場合は、地方自治体に申請し、社会支援法(WMO2015)の下で支援を受ける。自閉症児の日常生活支援が必要な家庭の場合、地方自治体は青少年法(Jeugdwet)に基づいて支援を提供する。オランダの医療・介護制度は、2015年1月1日に長期療養サービス保険(Wlz)が導入されるまでは、基本的に3つの“Compartment”に分類され、それぞれに応じ異なった需給システムを対応させてきた(大森 2001, 2003)。オランダの医療・介護保障は、①長期療養サービスを中心にカバーする特別医療費保険(Exceptional 愛知県立大学 教授田川 佳代子Tagawa KayokoⅠ. はじめに特集:在宅ケアと地域連携オランダの医療・介護制度における 在宅ケアの推進

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