諸外国における周産期医療・生殖補助医療と公的医療保障健保連海外医療保障 No.13362の際の入院診療費、新生児入院診療および6歳未満の子どもの入院診療時の自己負担金は免除される。また、その対象者の食事代についても自己負担が免除となる。支援対象は、妊娠確認書によって妊娠が確認された満19歳以下の産婦であり、所得・財産の基準はない。妊娠1回あたり120万ウォン以内の支援が国民福祉カードによるバウチャーによって行われる。妊産婦および2歳未満の乳幼児のすべての医療費および薬剤・治療材料の購入費に使用することができる。ただし、産後調理院については使用できない。バウチャーを使用できる期間は、カード受領後(国民幸福カード所持者はサービス申請承認の翌日)から分■予定日(流産診断日、出産以降サービスを申請した場合は出産日)以降2年間である。財源は、国庫負担と地方自治体による負担となっている。なお、国民健康保険に加入している満19歳以下である産婦は、同事業と妊娠・出産診療費支援制度を同時に受けることができる。これと同様に、医療給付対象者の場合には、同事業と妊娠・出産診療費について同時に受け取ることができる。同制度は、2011年から未婚母子施設に入所する満18歳の産婦が申請し受給できるものとしてスタートした。これは青少年で妊娠をした産婦が、その特性上、誰にも言えなかったり親との関係が切れてしまったりするため、産前のケアが不十分となりやすいためである。2012年には、満18歳以下のすべての青少年産婦に拡大し、その後は同事業によって使用できる範囲が拡大されていき、2021年に対象年齢が満19歳以下へと変更され、2022年にはさらに支援期間や使用できる範囲が拡大され、現在に至っている。同事業は、産婦・新生児健康管理士が一定期間、出産家庭を訪問し産後管理のサポートを行うものであり、その利用に対し産婦・新生児健康管理サービス利用券(バウチャー)を支給する方式で行われる。対象者は、2006年の事業開始時には最低生計費の130%以下で第2子を出産した者であったが、その後、持続的に変更が行われ、2023年では、産婦または配偶者が国民基礎生活保障法による生計給付・医療給付・住居給付・教育給付の受給者またはボーダーライン層に該当する出産世帯、産婦および配偶者などの該当世帯の健康保険料の自己負担金の合算額が基準中位所得の150%以下の金額に該当する出産世帯を対象としている。後者の場合、妊娠16週以降発生した流産・死産の場合も支援対象に含まれる。提供されるサービス内容は、表7のとおりである。利用料は政府支援金を超える利用があった場合は、自己負担となることとなっている。同事業は、2022年から地方移譲事業に転換され、既存事業の安定的実施のため、事業費の国費分を「地域相生発展基金8)」をつうじて各自治体に維持的に補填している(2022〜26年)。産婦は、自然分■の場合はおおむね2・3日、(2)産後ケアサービス①産婦・新生児健康管理支援事業(母子保健法)産婦・新生児健康管理支援事業とは、出産家庭に健康管理士を派遣し産婦の産後の回復と新生児の養育を支援し、また出産家庭の経済的負担の軽減を図ることを目的とした事業である。それとともに、産婦・新生児健康管理士の養成を行うことを通じて、雇用を創出することも目指されている。同事業は2006年に45か所の機関から始まり、2013年から「産婦・新生児健康管理支援事業」の事業名称として確立し、サービス価格の自律化が図られてきている。②産後調理院④青少年産婦妊娠・出産医療費支援事業(母子保健法)青少年産婦妊娠・出産医療費支援事業は、母子保健法(第3条)に根拠を置き、若年の産婦に妊娠および出産に必要な医療費を支援し、青少年産婦と胎児の健康増進を図ることを目的とした事業である。
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