レ46)で定められるが、基準は、民法典16条から16-8条に定める生命倫理の基本原理の尊重、手法の有効性と再現性、女性および生まれてくる子どもにとってのその利用の安全性に関わる。リストに収載された手法の有効性、再現性、安全性を高める技術はすべて、その実施前に、生物医学庁の長官の許可を受けなければならない(公衆衛生法典R.2141-1条2項)。 諸外国における周産期医療・生殖補助医療と公的医療保障健保連海外医療保障 No.13332生殖補助医療の実施に当たっては、保存される胚の数を限定し得る実践や手法が優先される(同条4項)。排卵誘発は、生殖補助医療技術とは独立して行われるときも含め、保健担当大臣のアレテで定める適正実施の準則(règles de bonnes pratiques)に従う(同条5項)。生殖補助医療に適用される適正実施準則は、生物医学庁の提案に基づき、保健担当大臣のアレテで定められる(同条6項)。親となる者の施術への同意が必要である。そのために、学際的な臨床生物医学チーム47)の1人以上の医師および他の医療従事者との個別面談が行われる。これには動機の確認と情報提供という2つの目的がある。カップルまたは独身女性の同意は、チームの医師が動機の確認と医療的な評価および一連の情報提供を行ってから1か月の検討期間が満了したときに、書面により確認される(公衆衛生法典L.2141-10条)。この同意は、生殖補助医療の実施まで維持されなければならない。カップルの場合には、①カップルの一方の死亡、②離婚の請求開始、③別居の請求開始、④民法典229-1条に規定される方法に従った、双方の合意による離婚または別居の合意書への署名、⑤共同生活の廃止、⑥生殖補助医療の実行を担当する医師に対する、カップルの一方による同意の書面による撤回、のいずれかがあると、人工授精や胚の移植はできない(公衆衛生法典L.2141-2条4項)。以前は利用可能な場合の制限48)があったが、2021年法で撤廃されたため、現在では前述の一般的な条件に従う。配偶子の提供は、人体の諸要素およびその生成物の提供および使用に関する一般的なルールに従って行われる(民法典16条の5以下、公衆衛生法典L.1211-1条以下)。例えば、提供者からの配偶子の採取には、提供者の同意が必要であり、この同意はいつでも撤回できる(公衆衛生法典L.1211-2条)。配偶子の提供は無償で行われる(民法典16条の6、公衆衛生法典L.1211-4条)。配偶子の提供は匿名でなされ、提供者と受容者は互いの情報を知ることはできない(民法典16条の8、公衆衛生法典L.1211-5条)。なお、2021年生命倫理法によって、出生者には出自を知る権利が認められることになったが、提供者は出生者に関する情報(自らが提供した配偶子や胚による出生者の有無・数、当該出生者の身元情報・非特定情報等)を知ることができない点に変わりはない49)。また、配偶子の提供者は成人でなければならない50)(公衆衛生法典L.1244-2条1項)。第三者の提供する配偶子を利用する場合、受容者となるカップルは、民法の定める条件に従い、公証人に対して事前に同意をしなければならない(公衆衛生法典L.2141-10条6項)。この同意は、公証人を前にした共同の宣言により行われ、第三者がいない場所で公署証書により記録される(民事訴訟法典1157条の2)。受容者カップルが提供者を指名することは禁じられている(公衆衛生法典L.1244-7条1項)。また、同一の提供者の配偶子から故意に10人を超える子どもを出生させることはできない(公衆衛生法典L.1244-4条)。提供された生の精子を用いた人工授精および精子の混合は禁止されている(公衆衛生法典L.1244-3条)。(3)すべての方法に共通する一般的な条件(4)第三者提供による場合の共通の条件(5)精子の提供に関する規律
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