諸外国における予防接種について(単位:%)(単位:%)②接種の効果、効果の継続期間および集団免疫獲得のための接種の効果、③副作用および重篤な健康被害、④接種の費用対効果についての情報を得ることができる33)。3歳児および成人の接種率は、表2、表3のとおりである。予防接種被害の疑い、つまり通常の副反応の程度を超える健康被害の疑いを確認した医師は、24時間以内に遅滞なく、当該の事例を保健所に報告しなければならない(感染症防護法第6条第1項第3号ならびに第8条第1項第1号および第6号)。この際、健康被害を被った可能性がある者の個人情報(氏名、性別、生年月日、住所等)と副反応疑いについて報告が行われる(第9条第1項)。続いて保健所は、州の所管官庁に当該報告を伝達する。保健所が伝達する事項は、特定できた限りにおいて、ワクチンの名称、製薬会社の名称、ロット番号、接種日時、発症日のほか、当該者については生年月日、性別、氏名の頭文字とされる(第11条第4項)。最後に、州の所管官庁はパウル・エーリジフテリア破傷風87.1麻しん1回目95.587.1麻しん2回目89.3注:予防接種サーベイランスの結果出所: „Impfquoten von Kinderschutzimpfungen in Deutschland,“ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■, Supplement zu Ausgabe 1 48/2022, 1. Dezember 2022, S. 2を基に作成。インフルエンザ(60歳以上)43.3破傷風(18歳以上)54.4注:予防接種サーベイランスの結果出所:„Impfquoten bei Erwachsenen in Deutschland,“ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■, 49/2022, 8. Dezember 2022, S. 5を基に作成。百日咳ポリオ87.086.9おたふく風邪おたふく風邪1回目95.42回目89.2肺炎球菌帯状疱疹1回目(60歳以上)(60〜74歳)23.3百日咳(18歳以上)49.8インフルエンザ菌b型(ヒブ)B型肝炎86.8風しん1回目95.583.9風しん2回目89.3帯状疱疹2回目(60歳以上)11.5百日咳(妊婦)7.7麻しん(1970年以降に生まれた18歳以上の者)39.70.5ヒ研究所に当該報告を伝達する。この際の伝達においては、個人情報は仮名化される(同項)。様々な副反応を学術的に評価することを可能とするため、パウル・エーリヒ研究所は、報告されたデータを公開している34)。法律に基づくこのような報告制度は、予防接種を受けようとする者に対する情報提供として機能している。連邦の官庁は、新しいリスクの可能性がある場合には、リスクを減じるための措置を命ずることができる35)。この制度の運用が開始された2001年から2016年までの統計によれば、2001年の報告数は700件程度であったが、その数は年を追うごとに増えており、2009年は豚インフルエンザのために多くの人が予防接種を受けたことから3,400件程度の報告があったほか、麻しんの予防接種が増えた2014年〜2016年も、3,700〜3,900件前後の報告があった36)。水痘1回目89.3水痘2回目83.1ジフテリア(18歳以上)53.4健保連海外医療保障 No.1326(8)健康被害の疑いの報告制度表2 3歳児(36か月)の接種率(2018年生) 表3 成人の接種率 Ⅲ. 予防接種被害に対する補償の枠組みドイツにおいて、予防接種被害に対する公的補償37)は、官庁によって公的に勧奨された予
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