健保連海外医療保障_No.132_2023年9月
73/79

10097.997.997.99897.697.497.297.497.4969492908897.297.297.897.597.697.396.795.696.593.894.291.5結核B型肝炎ジフテリア、破傷風、百日咳ポリオインフルエンザ菌 b 型肺炎球菌麻疹、流行性耳下腺炎、風疹水痘A型肝炎日本脳炎完全接種1歳97.997.297.397.497.296.52歳3歳97.997.997.497.697.597.696.196.496.797.297.597.897.397.695.693.894.291.597.395.897.597.697.496.596.595.896.196.41歳2歳3歳(単位:%)諸外国における予防接種について健保連海外医療保障 No.13270図12 出生年齢別およびワクチン別の予防接種率(2019年)出所:イ・ジェヨンほか(2020:3551)をもとに筆者作成。きた。簡単に要約すると以下の通りである。1954年に伝染病予防法の制定によって7種の感染症を対象として始まった国家予防接種事業は、その後、予防接種の対象が持続的に拡大し、現在は2010年に全面改正となった感染症予防法にもとづいて18種類の感染症を対象に行われている。その間、2003年には予防接種を専門的に担当する組織として疾病管理本部に予防接種管理課が設置され、予防接種の対象拡大という量的な拡大のみならず、予防接種のビジョンと目標の樹立、予防接種登録管理情報システムの構築と普及、予防接種後の異常反応管理の体系化、予防接種の効果分析、またそれらによる予防接種率の向上など、質的向上の面でも大きな成果を上げてきた。2009年からは、保健所だけでなく民間医療機関でも予防接種を実施することとなり、当初は一部自己負担があったものの、その後、数回にわたるモデル事業を通じて2014年からは全額国家負担となった。これをもって国家予防接種事業が確立したといえる。現在、2020年のコロナ禍で疾病管理本部から昇格した疾病管理庁の管理のもとで、「子ども国家予防接種支援事業」・「小・中学校入学生予防接種確認事業」・「HPV国家予防接種事業」・「B型肝炎周産期予防事業」・「高齢者肺炎球菌予防接種事業」・「インフルエンザ国家予防接種支援事業」という6つの予防接種と、その関連事業として「予防接種登録事業」と「必須予防接種事前案内サービス」が国家予防接種事業として展開されている。また感染症予防法にもとづいて専門組織として「予防接種専門委員会」と「予防接種被害補償専門委員会」が設置され、前者においては、主に予防接種の範囲と基準の決定、後者においては、主に予防接種後の異常反応の管理や被害補償の審査と決定とかかわる活動を行っている。国家予防接種事業の成果を判断する代表的な指標として、接種率をあげることに異論はないであろう。上記のように、韓国では、2014年に国家予防接種事業が確立し、その翌年の2015年以降、全国の予防接種率を公式的に発表している。コロナ禍前の2019年の接種率を分析した報告書をみると(イ・ジェヨンほか 2020)、予防接種の種類ごとに相違はあるものの、完全接種率―予防接種対象者のうち、上記の「子ども標準予防接種日程表」による予防接種をすべて完了した者の割合―は、満1歳(2018年生まれ)は96.5%、満2歳(2017年生まれ)は94.2%、満3歳(2016年生まれ)は91.5%となっている(図12)。同報告書によれば、接種率の公式発表以来、持続的に高い数値を示しており、接種率(満3歳)を公開している他の国、たとえば、アメリカ(2018年)やオーストラリア(2018年)、イギリス(2019年)など他の先進諸国と比較して、3〜

元のページ  ../index.html#73

このブックを見る