健保連海外医療保障_No.131_2023年3月
71/77

注1) Bureau of Labor Statistics, U.S. Department of Labor, ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■, Pharmacists, at https://www.bls.gov/ooh/healthcare/pharmacists.htm (last visited Nov. 15, 2022).薬局・薬剤師に求められる役割健保連海外医療保障 No.13168師の認定など専門職としての高度化が進められてきたことが背景にあると考えられる。他方で、薬剤師の活動範囲の拡大には、医師による治療を十分受けられないために、薬局を利用する低所得層や無保険者の問題があることにも留意が必要であろう。調剤技師の活用や調剤機器による調剤業務の自動化により、今後、薬剤師の役割は、医師の作成した処方箋に基づいた調剤から、薬剤を用いた患者へのケアを中心としたものへと変化していくことになるであろう。わが国でも、最近の調剤報酬改定において、薬剤師による対人業務が評価されるようになっており、基本的な方向性は一致しているといえる。わが国における薬局、薬剤師の役割を検討する上で、今後もアメリカの動向には注目する必要がある。(付記) 本稿は、JSPS科研費22K01184、MEXT科研費JP21H00663の助成を受けたものである。2) ■■.3) ■■.4) American College of Clinical Pharmacy, ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■―■■■■, 35 Pharmacotherapy 349 (2015).5) Teeraporn Supapaan, Bee Low, Payom Wongpoowarak and Summana Moolasarn, Claire Anderson, ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■, 17 Pharmacy Practice 3 (2019).6) Scott Knoer, Allison Eck and Amber Lucas, ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■:■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■, 32 Journal of Pharmaceutical Health Care and トD加入者のうち330万人がインスリン製剤を使用しているとされており、患者負担の軽減が期待されている45)。(5) パートDでカバーされる成人対象ワクチメディケアでは、パートBとパートDの両方で各種のワクチンを給付対象としている。2003年にパートDが創設される以前から、パートBにおいては一定のワクチンを給付内容とすることが義務づけられていた。現在、パートBの給付対象となっているワクチンは、新型コロナウイルス感染症、インフルエンザ、肺炎球菌感染症、B型肝炎(高リスクまたは中リスクの患者向け)であり、接種費用も含めて加入者の費用負担はない。その他のワクチン(狂犬病や破傷風などの疾病予防)については、パートBが費用の80%を給付し、加入者には20%の負担が求められる。パートDでは、パートBでカバーされる上記以外の市販ワクチンを給付対象としており、具体的な加入者負担のあり方は、保険プランごとに異なったものとなっていた。インフレ抑制法による今回の改革により、パートDがカバーする成人対象ワクチンのうち、帯状疱疹など米国疾病管理予防センターの予防接種諮問委員会(ACIP : Advisory Committee on Immunization Practices)が推奨するワクチンについては、加入者の負担なしで接種できるようにすることが義務づけられた(2023年1月1日より施行)。なおインフレ抑制法に基づき、メディケイドとCHIPプログラム(Childrenʼs Health Insurance Program)46)に対してもACIPが推奨するワクチンを費用負担なしで給付対象とすることが義務づけられた。アメリカでは薬局や医療現場で高度な役割を担うために、薬剤師を配置する機会が増大している。これは、慢性疾患の治療などにおいて薬物治療の必要性が拡大するとともに、専門薬剤ンの自己負担分の解消Ⅳ. おわりに

元のページ  ../index.html#71

このブックを見る