32021:46,604,675,365ユーロ2021:635.86ユーロ出所:Daten zum Gesundheitswesen: Arzneimittel8)健保連海外医療保障 No.131一般名処方でも銘柄処方でもよいが、償還限度価格(参照価格)と割引制度の縛りにより、薬局は処方された銘柄医薬品を必ずしも患者に渡せるとは限らない。ドイツでは箱だし調剤を行っており、医薬品処方も箱単位となる。通常、1医薬品1剤形に対し小さい箱からN1、N2、N3の3サイズがあり、適応症・投与期間に合わせて処方できるようになっている。例を挙げると、降圧剤のラミプリル錠はN1が20錠、N2が50錠、N3が100錠入りとなっている。抗菌剤では、錠剤やアンプルが1個だけといったN1パックもある。18歳未満の加入者は薬剤自己負担分が免除されている。18歳以上の成人は処方された箱ごとに自己負担分を薬局で支払う。1箱の保険請求価格が5ユーロ未満であれば全額、5〜50ユーロなら5ユーロ、50〜100ユーロであればその10%、100ユーロを超える場合は、どのような高額な医薬品でも1箱あたり一律10ユーロの自己負担となっている。高額薬剤治療患者の自己負担を軽減する配慮である。自己負担免除制度もあり、薬剤費を含めた医療費自己負担額が収入の3%を超えると、免除申請をすれば、その後その年の自己負担が免除となる。慢性疾患患出所:Daten zum Gesundheitswesen: Arzneimittel9)者は自己負担が収入の1%を超えるとその後の自己負担の免除申請が可能となる。自己負担免除カードは年度末まで最長1年有効であり、毎年の申請が必要である。医薬品(Arzneimittel)の定義は、医薬品法第2条10)に明文化されている。ドイツでは医薬品を1. Verschreibungspflichtig2. Apothekenpflichtig3. Freiverkäuflichに3分類している。1は、直訳すれば処方義務で、要処方箋医薬品がこれにあたる。2は、直訳すれば薬局(配置)義務で、処方箋がなくても購入できるが薬局でしか販売できないOTC医薬品である。3は、直訳すれば自由販売で、管理者がいればスーパーなどの量販店でも販売できる一般用医薬品がこのカテゴリーに入る。ApothekenpflichtigであるOTC医薬品は、文字通り、相談販売にてカウンター越しで渡すことになっており、患者や顧客が自由に手にできる場所には配置できない。2004年以後、成人へのOTC医薬品処方は保険償還の対象外となった。また、それまで公定価格であったOTC医薬品の価格は自由価格となり、薬局でメーカー希望販売価格を変更できる。未成年には処方されればOTC医薬品も図2 公的医療保険の償還薬剤費とその伸び率(2016-2021年) (2)薬剤給付における自己負担(単位:10億ユーロ)図3 加入者1人当たりの償還薬剤費と前年比伸び率(2016-2021年) (単位:ユーロ)2. 薬剤給付の仕組み(1)医薬品の処方3. 医薬品の定義と分類
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