健保連海外医療保障_No.131_2023年3月
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薬局・薬剤師に求められる役割健保連海外医療保障 No.13148• リフレクティブアカウント(Reflective Account)リフレクティブアカウントはGPhCによって定められた9つのスタンダード9)の内、提示されたスタンダードに対し、自身がどのように満たしたかを内省するレポートである。登録年度の初めに9つの内、どのスタンダードについてのリフレクションかを提示され、自身の専門領域の中で、どのようにそのスタンダードを満たしたかを約250文字程度でレポートにする。上記3種類のレポートをそれぞれGPhCのオンラインポータルに提出する。提出されたレポートはGPhCの担当者によって、ランダム、もしくは対象を絞ってレビュー対象者を選択し、フィードバックを行う。GBの薬剤師は多くのCPDの勉強の機会を与えられており、それぞれの専門領域に合わせて職能開発が可能である。イングランドの薬剤師は薬剤師卒後教育センター(CPPE:Centre for Pharmacy Postgraduate Education)という機関が無料で薬剤師登録後の教育・トレーニングを提供している。さらに、NHS内で卒後教育の学位取得プログラムへの学費支援もあり、薬剤師のキャリア向上の環境は整えられている。英国薬剤師の勤務する臨床分野としては、病院、薬局、GP診療所、プライマリーケアネットワーク(PCNs:Primary Care Networks)等が挙げられる。薬剤師の大多数が臨床分野で働いているものの、臨床以外の分野では大学等教育・研究分野や規制機関等公的機関でも薬剤師の勤務が見られる。2019年に行われたGPhCによる調査10)では79,770のGPhC登録者(薬剤師、薬局テクニシャンを含む)の内、18,394が回答した。その内、12,368が薬剤師の回答(回答率22%)であり、また、独立処方権保持薬剤師は2,260が回答(回答率26.9%)した。61%の薬剤師が薬局で勤務しており、22%の薬剤師が病院等セカンダリーケア分野で勤務している。“a person practises as a pharmacist or a pharmacy technician if, while acting in the capacity of or purporting to be a pharmacist or a pharmacy technician, that person undertakes any work or gives any advice in relation to the preparation, assembly, dispensing, sale, supply or use of medicines, the science of medicines, the practice of pharmacy or the provision of healthcare”.(薬剤師または薬局テクニシャンの資格を有して、あるいは、称して、薬剤師または薬局テクニシャンとして業務を行っている者は、医薬品の準備、組み立て、調剤、販売、供給または使用、医薬品の科学、薬局業務、またはヘルスケアの提供に関連する業務を行っているか、何らかの助言を行っている。)Pharmacy Order 2010のArticle 4に基づき、GPhCは安全で効果的な薬剤師実務を行う為の薬剤師のスタンダードを作成、推進しなければならない。そのスタンダードは以下の9つを含む。① パーソンセンタードケアを提供する② 他者と協働する③ 効果的なコミュニケーション④ 専門的な知識と技術を維持・開発・使用する⑤ プロフェッショナルとしての判断を使用する⑥ プロフェッショナルとしての意識を持って行動する⑦ 個人の秘密とプライバシーを尊重し維持する⑧ 懸念があるときや物事がうまくいかないときに率直に話す⑨ リーダーシップを発揮するⅥ. 薬剤師に義務付けられている業務1. 全薬剤師に求められるスタンダード前述した通り、GBの薬剤師は必ずGPhCに登録しなければならない。Pharmacy Order 2010のArticle 3(2)において、薬剤師または薬局テクニシャンについて以下の通り定めている。4. 薬剤師の主な活動領域

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