47健保連海外医療保障 No.131ネジメント、教育と研究)に分かれた、計55の学習成果6)を満たす必要がある。MPharmと以下のFoundation trainingでは同じ学習成果を使用するが、その成果基準をミラーのピラミッド(Millerʼs pyramidy)7)の4段階(knows, knows how, shows how, does)で示し、到達度の違いを定めている。ステップ2:Foundation training1年の基礎トレーニングを臨床で受ける。これには処方権取得に必要な監督下での処方実務のトレーニングを含み、最低90時間のトレーニング期間を必要とする。トレーニング期間中に指名された監督薬剤師と監督医療従事者による学習成果到達評価の承認が必須である。2021年の学習成果アップデートにより、薬剤師登録前トレーニングをʻFoundation trainingʼと名称変更し、更にその実務トレーニングの質保証が医療従事者教育規制機関(Health Education England, Health Education and Improvement Wales, NHS Education for Scotland)へ移譲された。ステップ3:GPhC Registration Assessmentステップ1とステップ2の計5年を経て、GPhCによる登録審査(Registration Assessment)に合格することによって英国薬剤師として登録が可能である。この試験はステップ1とステップ2で使用した55の学習成果を基にしたものである。薬剤師として登録後、就業を継続する為には、一年に一度、GPhCによる再検証(Revalidation)の要件を満たす必要がある。これはGB薬剤師の9つのスタンダードを満たしていることを示すものである。再検証の要件はGPhCの再検証フレームワーク(Revalidation framework)8)に記されているが、以下の通りまとめる。GBの薬剤師再検証フレームワークは薬剤師の質的認証制度であり、薬剤師として登録・就業を続けるのであれば毎年継続しなければならない。その質的保証は国民の薬剤師への信頼を満たすために示し続けなければならないものであり、以下の3つの異なるレポートの提出が必要である。• 専門能力開発(CPD:Continuing Professional Development)薬剤師は一年に4つのCPDレポートを提出しなければならない。CPDにはPlanned learningとUnplanned learningの2種類があり、提出要件の4つのCPDの内、2つはPlanned learningでなければならない。Planned learningは国際薬剤師薬学連合(FIP:International Pharmaceutical Federation)も提唱するCPDの循環モデルに基づくものであり、Reflection, Plan, Act, EvaluationとApplicationの循環によるCPDである。Unplanned learningは、Donald SchönによるReflective-in-actionモデルである、Professionalは予定外のイベントにより学びを得るというAdult learning theoryに基づくCPDレポートをいう。どちらも、500文字程度のレポートである。•ピアディスカッション(Peer Discussion)ピアディスカッションは2018年の改定により以下のリフレクティブアカウントと共に追加された項目であり、一年に一報の提出が必要である。個人のリフレクション(自己査定)のみであるCPDやリフレクティブアカウントと違い、ピアディスカッションは他者とのディスカッションにより個人のリフレクションを深めるものである。ピアディスカッションの相手は自身の仕事において信頼と敬意を持ち、正直でオープンなディスカッションを出来る相手を選ぶことが必須である。直属のマネージャーや、同僚、他医療従事者(医師、看護師等)、メンターやコーチ等が勧められている。ピアの説明、自身の専門領域、ディスカッションの内容やそれに対する自身の実務に関するリフレクションを含め約250文字程度のレポートである。3. 資格を担保するフレームワーク
元のページ ../index.html#50