薬局・薬剤師に求められる役割健保連海外医療保障 No.13144へ医療サービスの委託がされる。イングランドで提供されている薬局サービスは基本的に必須サービス(Essential services), アドバンスト・サービス(Advanced services), 地域サービス(Locally commissioned services)の3つのカテゴリーに分かれている。すべての薬局が提供しなければならないサービスは、NHS(Pharmaceutical and Local Pharmaceutical Services)Regulationsにより定められており、現在は以下の9つのサービスがイングランドでは提供必須とされている。• Discharge Medicines Service(DMS)(退院時薬剤サービス)•Dispensing Appliances(医療機器の調剤)•Dispensing Medicines(医薬品の調剤)• Disposal of unwanted medicines(不要薬剤の廃棄)• Healthy Living Pharmacies(HLP)(健康生活薬局)• Public Health(Promotion of Healthy 種類DMS(退院時薬剤サービス)薬局は、NHS の病院等から紹介された患者に対して、追加の服薬指導を提供する。ケア移行時の調剤不要薬剤の廃棄HLP(健康生活薬局)公衆衛生(健康生活の促進)リピート調剤/電子リピート調剤(eRD)出所:PSNCホームページ(http://psnc.org.uk/)より筆者作成。患者の安全性を確保し、再入院を防ぐことがねらいとされている。薬局は調剤を行い、調剤した薬剤の記録を保管する。また、重要と判断した介入の記録も保管する。薬局は患者から不要となった薬剤を受け取る義務がある。 薬局は、固形薬剤(アンプルとバイアルを含む)、液体、エアロゾルに分類しなければならない。地域のNHSイングランドチームは、廃棄業者が薬局から廃棄薬剤を定期的に収集するよう手配しなければならない。 地域のニーズを満たすために地域の薬局を通じて幅広い健康増進の介入を一貫して提供し、地域住民の健康と福利を改善し、健康の不平等を減らすことを目的としている。NHSイングランドの要請により、薬局は年間6つのキャンペーンに参加する義務がある。これには、NHSイングランドが提供するチラシの掲示および配布が含まれる。さらに、禁煙の推奨など公衆衛生上の懸案事項について、処方箋とリンクした介入を行うことが求められる。プライマリーケアの処方の少なくとも2/3は、定期的な薬剤を繰り返し必要とする患者のためのものであり、リピート調剤は2005年に必須サービスとなった。リピート調剤では薬局は以下のことを実施する。・GPが発行したリピート処方箋の調剤をする・リピート調剤が必要であることを確認する・患者がGPを受診すべき理由がないことを確認する従来、このサービスは主に紙の処方箋を使用して行われていたが、電子処方箋サービス(EPS)の開発に伴い、電子リピート調剤(eRD)と呼ばれている。Lifestyles)(公衆衛生(健康生活の促進))• Repeat Dispensing and eRD(リピート調剤/電子リピート調剤(eRD))• Signposting(地域のケア・サポート資源への適切な誘導)• Support for Self Care(セルフケアのサポート)退院時薬剤サービス(DMS)は一番新しく必須サービスに加わったサービスであり、2021年2月より開始された。このサービスを用いることで、NHSの病院等が退院時処方に対し、追加の服薬指導を薬局へ委託する事が出来るようになった。このサービスはNHSイングランドによるMedicines Safety Improvement Programmeにより、患者の病院への再入院を減らし、医療提供先の移行による医薬品療法の安全性確保の為に重要であるとみなされ、導入された。サービスを提供するにあたり、薬局が認定を受ける必要がある。その認定要件はSecretary 概要表3 主な必須サービス(すべての薬局が提供しなければならないサービス)2. 必須サービス3. アドバンスト・サービス
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