健保連海外医療保障_No.131_2023年3月
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注1) 例えば、薬物中毒(toxicomanie)、中毒性障害(trouble addictif)、片麻痺(Attaque hémiplégie)、強度のアルコール中毒(fort addiction dʼalcool)など。健保連海外医療保障 No.131した「私のマタニティ」ガイドへのリンクを送信といった項目が挙げられている。妊娠中の女性との対話については、5ユーロの報酬が支払われる(海外県・海外領土は1.05倍)。退院時には患者への適切な医療が途切れたり薬が原因で疾患になったりするリスクが高まることから、薬剤師は、在宅復帰サービス計画(PRADO)のしくみに参加し、病診連携の下で退院後に在宅医療を継続する患者を支援する役割を果たすことができる。薬剤師は、患者が一定のPRADOの対象となっており、かつ、病院の医療チームから薬局まで医薬品を受け取りに行くことが困難であると評価されている場合に、患者の自宅まで医薬品を配達する。この任務に対し、薬剤師には、1日につき5回を上限として、患者1人につき2.5ユーロが支払われる(海外県・海外領土については1.05倍)。2) 懲戒処分に対する破毀申立て、会費徴収や名簿登録等に関する決定に対する越権訴訟などが考えられる。3) 医薬品のマージンは、社会保障法典L.162-38条により経済相・保健相・社会保障相のアレテで定められる。4) 院内薬局(pharmacie à usage intérieur: PUI)と区別して外来薬局(officine de ville)と呼ぶこともある。5) 学説は、薬局について、有形財産(動産やストック)と無形財産(商号、看板、顧客)からなる営業権(fonds de commerce)であるとする。6) 国立継続的能力開発機構(ANDPC)に登録された組織により実施され、同機構のDPCアクションとして登録されたものでなければならない。7) HASの意見を徴した上で保健省が作成・公表するもので、現行版は2022年版(Calendrier 39参考文献稲森公嘉(2002)「フランスにおける開業医の医業遂行への諸規律(三)・(四)―自由な医療と疾病保険制度の相剋と調整―」『法学論叢』151巻3号・4号des vaccinations et recommandations vaccinales 2022)である。〈https://sante.gouv.fr/IMG/pdf/calendrier_vaccinal_2022_mis_a_jour_juin_2022_v2.pdf参照〉8) センター(Centor)スコアにおける4つの臨床項目(38度以上の発熱、咳嗽の欠如、前頸部のリンパ節腫脹・圧痛、■桃の腫脹・滲出物)に年齢の要素(3歳から14歳は+1、45歳以上は-1)を加味したもの。9) がん検診については、松本(2022)30頁以下が詳しい。稲森公嘉(2016)「フランスにおける薬剤政策の動向」『健保連海外医療保障』109号稲森公嘉(2017)「フランスの薬剤政策」『健保連海外医療保障』113号、114号稲森公嘉(2022)「フランスの医療制度―医療の自由を保障しつつ保障の普遍化をめざす」岩村正彦他編『社会保障制度―国際比較でみる年金・医療・介護』東京大学出版会内田千秋(2016)「フランスにおける専門職会社法制の歴史的展開」『法政理論』48巻4号内田千秋(2017)「フランス専門職(プロフェッション) 会社法制に関する規定の翻訳─ 近時の改正を踏まえて ─」『法政理論』49巻1号フランス医療保障制度に関する研究会編(2021)『フランス医療保障制度に関する調査研究報告書 2020年度版』医療経済研究機構松本由美(2022)「フランスにおける健診・検診―医療保険とかかりつけ医の役割―」『健保連海外医療保障』130号Marie-France Callu et al.(2021), Dictionnaire de droit de la santé, 2nd éd., Lexis Nexis.Antoine Leca et al.(2022), Traité de droit pharmaceutique, 11e éd., LEH Edition.フランス薬剤師会のウェブサイト〈https://www.ordre.pharmacien.fr/〉フランス医療保険金庫のウェブサイト〈https://www.ameli.fr/〉(6)在宅医療の支援者として

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