薬局・薬剤師に求められる役割健保連海外医療保障 No.13136での交付6条 薬局網の展開の管理組織7条 エコロジーの行動主体としての薬剤師Ⅰ 持続的発展の課題と両立する職業実践についての薬剤師の約束Ⅱ 医薬品のユニット単位での交付8条 求書(facturation)の給付準則と脱物質化9条 医療のデジタル化の進展および医療へのアクセスの改善のための目標に基づく報酬支払い10条 協約上の諸機関11条 薬剤師による協約上の義務の不遵守12条 負担引受組織による協約上の義務の不遵守の場合に適用される手続13条 薬剤師と金庫との関係の現代化患者等への支援、予防に関する取組みの拡大、医療のデジタル化の推進といった項目が特に目を引く。このように市中の外来薬局には、医薬品の小売以外に、新たな保健衛生体制の拠点としての役割が認められている。以下、そのうちのいくつかについて説明する。フランスでは、デジタル通信技術の発展により、オンラインシステムを通じた遠隔診療が普及し始めているが、薬局もその一翼を担うことが期待されている。医師が別の場所から患者を診察する遠隔診療は、対面での診察の場合と同様に、医療給付の対象とされている。薬剤師は、遠隔診療において、患者を支援する専門職として、臨床検査の実施の際に医師を補助し、診療内容の理解を助ける役割を果たす。薬局には、遠隔診療を行うための設備として、患者の秘密を守れるようドアで閉じられたスペースが必要である。そして、そのスペースには、ビデオ通信用の設備のほかに、接続された聴診器と耳鏡、酸素濃度計(オキシメーター)、血圧計を備えておかなければならない。薬局での遠隔診療については、初年度に限り、必要な設備一式の費用として1,225ユーロが支払われるほか、1年間の患者数に応じた定額の報酬が支払われる(5人までの25ユーロから146人以上の750ユーロまで30段階で設定されている)。2019年社会保障財政法(2018年12月22日法律)による法改正で、薬剤師(薬局所有薬剤師および補助薬剤師)は、2019年3月1日以降、薬局で一定のワクチン接種を行うことができるようになった(公衆衛生法典L.5125-1-1条)。ワクチン接種の実施を希望する薬剤師は、事前にARS長官への届出が必要である。薬剤師は、事前に2019年4月13日アレテの定める目的に適合した研修(理論3時間・実技3時間からなる6時間の継続的能力開発研修6)(formation DPC))を受けなければならない。また、薬局には、ワクチン実施のための設備として、ワクチン接種を実施するためのスペース(事前の説明の際に患者の秘密を保持できるよう閉鎖可能であるとともに、患者用スペースからアクセス可能だが、薬局内の医薬品にはアクセスできないようなスペースでなければならない)のほか、机・椅子・手洗い用の水源またはアルコール消毒液・ワクチン保管用の冷蔵庫などの設備一式を備えていなければならない。また、感染リスクのある医療廃棄物を公衆衛生法典の定めるルールに従って処理しなければならない。薬局で接種できるワクチンの種類は、①季節性インフルエンザ、②ジフテリア、③破傷風、④ポリオ、⑤百日咳、⑥ヒトパピローマウイルス、⑦侵襲性肺炎球菌感染症、⑧A型肝炎ウイルス、⑨B型肝炎ウイルス、⑩〜⑭血清群A、B、C、Y、Wの髄膜炎菌、⑮狂犬病の15種類である(2022年4月21日アレテ)。1価抗体のワクチンまたは混合ワクチンが用いられる。季節性インフルエンザのワクチン接種については、医療保険金庫が発行したワクチンクーポンを提示すれば無料で受けることができる。薬(2)遠隔診療の場として(3)ワクチン接種の場として
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