健保連海外医療保障_No.131_2023年3月
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19少なくとも1回接種1回追加接種完了者接種完了者2回追加接種完了者出所:Impfdaschboard33)健保連海外医療保障 No.131で売り切ってしまうと追加注文はしないようである。薬局では同じ製品でも価格がやや高めになるが、地域住民がいつでも薬局で購入できるのは利点である。医薬品総合卸が在庫を持っているので、各薬局は必要量を適宜注文できるため継続的な販売が可能となる。コロナ禍以前は薬局が行う配達業務に加算報酬はつかなかった。配達業務を行う薬局は、患者の便宜を図り競合力アップのため、自局で配送担当者を雇い、無料サービスとして医薬品を配送しているところが多い。隔離患者や慢性疾患患者への医薬品供給を確実にする目的で 2020年春、各薬局には、配達時の感染予防具費として一括250ユーロ(19%の付加価値税込みで297.5ユーロ)が支給された。この法令により2020年4月より要処方箋医薬品の配達には1宛名/日に配達料5ユーロ(19%の付加価値税込みで5.95ユーロ)、2020年10月からは2.5ユーロ(19%の付加価値税込みで2.98ユーロ)の配達料金を加算請求できることとなった。医薬品販売時には服薬指導義務がある。ドイツでも電話やオンラインといったテレコミュニケーションによる服薬指導が認められているが、現行の薬事関係法規の解釈では、それは薬局内で行われなければならず、技術的には可能でもホームオフィスからのオンライン服薬指導は認められていない。ドイツでは2020年12月より、まず医療従事者、高齢者を優先に新型コロナワクチン接種が開始された。接種率を急速に上げるため、2021年4月より保険開業医が接種キャンペーンを開始した。当時解凍して120時間(5日)しか有効期限のなかった新型コロナワクチンを効率的に開業医院まで届けるため、全国統一の受注・発注・配給法が採られた。・ 薬局は配送のある1週間前の火曜日18時までに医薬品総合卸へ希望バイアル数を発注・ 翌日卸より入荷可能バイアル数の連絡が薬局へあり、注文した開業医へ振り分け可能なバイアル数を伝達・ 入荷可能なバイアル数に基づき、医院は次週ワクチンが届くまでに接種希望者の予約を調整・ 次週の月曜日、解凍されたバイアルが備品(ディスポーザブル注射器・注射針、生理用食塩水とそれらの予備、ならびに国際予防接種手帳に貼るロットシール)と共に医薬品総合卸か図9 ドイツにおける新型コロナワクチンの接種率変化(2023年1月17日現在) (単位:100万人)6. 配達業務強化7. 新型コロナワクチンの医療機関への配給

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