健保連海外医療保障_No.130_2022年9月
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652)がん検診がん検診は、胃がん、大腸がん、子宮頸がん、乳がん、肝臓がん、肺がんの6種類に対して実施されている。がんの種類によって、年齢別と性別および危険程度によって検診の対象が異なる。女性の場合、20歳から子宮頸がんを2年ごとに、そして40歳からは胃がん、乳がん、肝臓がんの検診を2年ごとに受けることになっている。肝臓がんの場合は、高危険群を対象に6か月ごとに実施している。50歳からは毎年、大腸がんの検診を受けることができる。また、54歳からは、高危険群の場合、74歳まで2年ごとに肺がんの検診を受けることができる。男性の場合は、40歳から2年ごとに胃がんの検診と6か月ごとに肝臓がん(高危険群)の検診を受けることとなっている。50歳以上に対しては毎年、大腸がんの検診が実施される。そして、54歳から74歳までは、高危険群に限って肺がんの検診の対象となる。がん検診は、発生率、生存率、死亡率などを考慮して検診対象および頻度などを定めている。詳細は表9を参照されたい。3)学生健康検診学生健康検診は、小学校1年と4年、中学校1年、高校1年を対象として行っており、疾病の治療・予防に必要な措置および指導と自己健康管理能力を向上させること、そして疾病および身体異常が発見された者に対しては、健康相談・治療および保護など適切な対策を講じることを目的としている。検診項目をみると、主表9 がん種類の検診対象および検査項目種類胃がん40歳以上大腸がん50歳以上子宮頸がん20歳以上の女性40歳以上の女性40歳以上の高危険群54〜74歳の高危険群乳がん肝臓がん肺がん出所:キム・テウン(2021:10)より筆者作成。健保連海外医療保障 No.130対象検診周期2年1年2年2年6か月肝臓超音波検査および血液検査2年低線量CTおよび事後結果相談に脊椎、目、耳、鼻、喉、皮膚、口腔、病理検査などに対する検査および診断が行われる。詳細な項目とその対象については表10を参照されたい。国家健康検診の受診において基本的に本人負担はない。表12に示しているように、一般健康検診と乳幼児健康検診において、国民健康保険加入者の場合は国民健康保険財政、医療給付受給者の場合は国庫(国民健康増進基金と地方費)から賄われている。学生健康検診は地方教育庁4)乳幼児健康検診乳幼児健康検診は、6歳未満の子どもに対して、成長・発達異常、肥満、事故、突然死症候群、聴覚・視覚異常、口腔疾患などを目標疾患として、生後14日、4か月、9か月、18か月、30か月、42か月、54か月、66か月と8回にわたって実施されている。口腔検診に関しては、18か月、42か月、54か月という周期が定められている。この乳幼児健康検診においては、共通項目としての身体計測とともに、各年齢に特化した問診および診察が行われ、あわせて、保護者を対象とした9つの種類の健康教育も行われている。なお、韓国乳幼児発達選別検査(K-DST)の結果をベースにした発達評価および相談も実施している。乳幼児健康検診の目標疾患と年齢ごとの検査項目など詳細については、表11を参照されたい。(4)費用負担検査項目内視鏡あるいは造影検査便潜血検査※ 陽性判定者は大腸内視鏡検査あるいは大腸二重造影検査子宮頸部細胞検査乳房X線撮影

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